【鮎竿】鮎竿のヘタリについての一考察

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コトのはじまり

泳がせ、川見の師匠が「竿がヘタって魚が抜けなくなったから竿を手放す」とのこと。
なんでも引いた感じ、感度は変わりなく感じる、しかし抜くとなると以前より明らかに時間がかかる。と今年の神通川で120匹釣った際に感じたとのことで「いくらでも良いから売っちゃってよ。」と。
さっさと今年発売の競技メガトルク急瀬XHに買い替え不要になった竿を預かったことから考察が始まる。(新しい急瀬XHは競技大鮎のハカマを抜いたような感じの竿で最高だ、とのこと。シーズン始めのチビから泳がせから全部コレで足りるとのこと、、、。マジか、、、。

竿の詳細

2014 DAIWA 銀影競技メガトルク急瀬抜
・4シーズン使用
(推定 40日合計160日使用40005000匹)
竿の手入れは一切しない濡れたまま車内保管、尻栓は抜いて保管していると主張、笑)
#1#2は1年のみ使用(振り子で#2は何度も吹っ飛ばしており昨年も#2から上が「吹っ飛んでった笑」たため修理)
・置き竿頻回
・竿の内側砂による線傷多数
・竿の外側意外ときれい見た目キズなし
・予備に#1#2とメタルトップ#1が付属
この内容で某大手買取TBが65000円、某大手釣具店買取コーナーで78000円分の金券。
こんな値段で手放すなら先代ライトモンスターを買った際に「急瀬にしておけば良かった!」と激しく後悔し欲しかった時期もあることから、自分が買おうかなとも考え、、、。
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DAIWA2014カタログより

有識者に聞いたヘタる、ヘタらないの話

ヘタらない

竿に対する慣れ
使い慣れて来ると人間はその先その先の動作を行おうとするため同じことをしていても長く感じる。(ダイワテスター談)

ヘタる

どんなに丁寧に使っていてもやはり新しい竿と使い込んだ竿では使用感が違う(ダイワテスター談)
節への繋ぎ部分がほんの少しづつ削れるとつながりが良くなる分引きやすさ、曲がりに対する剛性は強くなる。その反面よく曲がる為、抜きは時間がかかるようになる。(師匠が感じたのもこんな感じなのだろうか?)
とやはりテスターさんによってもまちまち。
ということは一般人の私が使ってもわからないのでは??
そもそもテスターさん達がへたるまで竿を使うことなんてないだろうな、、、。

カーボン素材に関する論文

長期暴露による CFRP材の強度低下とその解明
http://www.cit.nihon-u.ac.jp/laboratorydata/big_project/houkoku7_16/1-3.pdf
【要旨】
カーボン繊維は日照に強いがそれを接着するレジンが劣化現象を起こす。
水につけたままだとカーボン繊維は弾性を失う、しかし完全に乾燥させると元の値に戻る。

 

紫外線による各種繊維の劣化現象の評価方法に関する基礎研究
http://data.jci-net.or.jp/data_pdf/18/018-01-1188.pdf
【要旨】
カーボン繊維は日照環境に強い
500
時間を超える日照環境においてやや劣化が始まる

他にも調べると竿だけではないけれど
→ カーボンの曲げ耐性は500万回のテストを行っても復元性がある。
→ 濡れたままだと表面に水ぶくれのような ” ブリスター現象 ” が起きてしまう恐れが大なので高温+高湿度は避ける。
→ 熱耐性実験で完成品を300℃の炉に入れて、低温環境に戻す事を繰り返す実験では接着剤の剥離が見られる。
→ とくに傷が付いているところから接着剥離して行く。
という記述があった。

まとめ

◉ヘタるかヘタらないかは個人の感覚によるところが大きい。
◉カーボン繊維は鮎釣りの環境くらいではヘタらない
◉経年劣化で接着剤が少しづつ剥がれていくことはあるかもしれない(極限までレジンを減らしている鮎竿、特に上位モデルでは影響は少ないか?)
◉水に濡れたままではカーボンにも良くない
◉キズがつくとそこからあっという間に劣化(置き竿、砂噛み良くない。)
と手入れの大切さを感じることが出来た。

また、グラスや竹竿時代から鮎釣りをしている人はどうしても「鮎竿はヘタる」という考えがあるようだ。

ウチに迎え入れることに

とりあえず希望10万でオークションに出してみると#1#2のみ売って欲しいとの依頼あり、40000円で売却。一部売れたと伝えると合計60000円になれば良いとのことで了承得て自腹20000円払って激安で購入
師匠曰く、「折れた際に何度も#1#2を替えたことで#3#4に負担がかかってる、特に竿を起こした時にバランスが変わったのを感じる、感度やメタルトップの設定で#2をもう少し強くすることができなかったのかもしれない。#2を強くするとT調子になってしまうので少し曲がりやすくしてある分、振り子で竿をS字になるように早く振ると#2が吹っ飛ぶ。使うならかなり疲弊しているであろう#3#4を買い替えて使えばヘタりは良くなると思う。」との事だったが簡単に#3#4を替えます!という値段ではないしこのまま使ってみることに。
とりあえず先ずは手入れ、普段はここまでやらないが徹底的に。
・徹底的に竿の内側、外側を中性洗剤で洗う。
・布団乾燥機を用いて徹底乾燥1週間繰り返す。
・車用ガラスコーティングフッ素施工してみる

と竿が今まで味わったことのない手入れを施した。
特にガラスコーティング加工はこの値段だから一か八かの勝負で出来る加工だったがものすごい艶なった。重量も施工前から4gアップ。#1〜#8まで施工したが元竿くらいにするならありかな??

さて、釣り場で使用、問題なく使えていたが5匹ほど釣ったところで掛かり鮎を引き抜く際にいきなり#3が「ボン!」という鈍い音と共に真っ二つに折れた、、、。細かな傷があったのか??かなり注意してみたが傷はなかったけど、、、。
#3#4はヘタってるという言葉通り見事すぎる結果。とりあえずは#3を新品購入して使用、今のところ問題なし。
言葉通りだと次は#4が折れるのか??買っておこかな、、、。
ヘタリ等は自分の感覚では分かるわけなく、至極快調。SPECIAL MTよりもパワー感あるし抜けも早い。最大25cmまでのサイズしか掛けていないが使用感は最高。
これで先代メガトルクは早瀬、急瀬、スペシャル、大鮎とコンプリートだ
SHIMANO FTフォースライト早瀬とともに最高の予備竿(主に車に置き竿、2本合わせて3万円)となった。

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